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『価値づくり』の研究開発マネジメント 第339回

普通の組織をイノベーティブにする処方箋(186): KETICモデル-思考(128)
「発想のフレームワーク(71):思考の頻度を高める方法(41) 妄想のすすめ(11)」

(2024年9月17日)

 

セミナー情報

 

今回も引き続き「妄想を積極的に促す方法」について、考えてみたいと思います。

●妄想を積極的に促す方法(その18):「もし私が・・・たら」 で妄想する
前回は「●妄想を積極的に促す方法(その17):一日のうち、妄想タイムを持つ」について述べました。しかし、妄想癖がつくまでは、何を妄想したら良いか迷うことも多いと思います。その場合には、自分にもっとも関心があるのは自分ですので、自分すなわち「私」を主語にしていろいろ妄想をしてみると妄想がしやすいと思います。

〇思考の3つ
「私」を主語に考える場合に、3つぐらいの妄想思考の方向性があると思います。

-思考その1:「もし私が〇〇だったら」
ここでは2つの例があります。

・「もし私が誰だったら」
自分が他人やさらにはモノであると仮定して考えて見ます。他人は今世の中で話題を呼んでいる人であったら、対象が想像しやすいと思います。たとえば、自分がアメリカの大統領候補であるカマラ・ハリスであったらと考えてみる。トランプが大統領に再選されると、アメリカ、さらには世界の民主主義に壊滅的な影響がある。どうにかしなければならない。何をしたら良いかを自分なりに、アメリカ人でもない自分のアメリカの知識は限定されてはいますが、自分の知識や経験を総動員して考えてみる。
また「誰」は、かならずしも人間である必要はありません。自分が猫であったら、自分がミジンコであったら、自分が椅子だったら(江戸川乱歩の小説に「人間椅子」というのがあります)など、妄想の余地はほぼ無限です。

・「もし自分が〇〇だったら」
自分がとんでもない大金持ちだったら、とんでもない貧乏だったら、自分が地球に一人取り残されたら、自分が失職したら、自分が2mの長身だったとしたら、などなど。ありえないこと、多少は可能性があること、妄想のタネは尽きません。

-思考その2:「もし私が〇〇をしたら」
現在の自分にとって相当難しい(と認識している)ことを自分がしたらとを考えてみる。会社を辞めてフリーランサーになる、世界一周の旅にでる、ストリートミュージシャンになる、好きな人に愛を告白したら、離婚をしたらなどです。

-思考その3:「もし私が〇〇ができたら」
上の思考その2は、困難はあるもののできることを考えるものでしたが、現在の自分ではできないことができるようになったらと考えてみる。月に旅行できたら、別の性になれたら、子供に戻れたら、外国人に生まれ変われたら、などです。

〇重要な2つの思考
「私」を主語に妄想する場合には、以下の点に注意することが大事です。

-重要な思考その1:ポジティブに考える
まず一つ目がポジティブに考えることです。ネガティブな妄想は面白くありませんので、長続きしません。

-重要な思考その2: 自分にとって多少とも現実性のある意味合いを考えてみる
ここでただただ、全く現実性の無いことを並べ立てても、おもしろくありません。仮に不可能な妄想であっても、その内容を修正してでも、何かそこから自分自身にとっての多少とも現実性のある意味合いを考えてみることが大事であると思います。

(浪江一公)