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『価値づくり』の研究開発マネジメント 第224回

普通の組織をイノベーティブにする処方箋(71): KETICモデル-思考(13)
「知識・経験を関係性で整理する(1)」

(2020年1月27日)

 

セミナー情報

 

今回からKETICモデルの「思考」の中の、「知識・経験を関係性で整理する」の議論をしたいと思います。

前回まで議論した時系列や物理量などで整理した要素を、更にそれらの要素間の関係性も考えることは、得られた知識や経験をより構造的に整理するものとして重要です。なぜなら、それら要素の間には単なる分割ではない関係性が存在することが多いからです。

●関係性の種類
それでは、要素の間にはどのような関係性の種類があるのでしょうか?

○原因と結果
関係性で誰でもすぐ気が付くものに、原因と結果があります。ある要素が他の要素を生み出すという関係です。

○影響を与える
原因と結果のようにある要素が他の要素を生み出すというまでの強い関係ではなく、前者が後者になんらかの影響を当える関係も存在します。

○包含
ある要素が他のより大きな要素の一部になっている、すなわち包含されているという関係です。

○一部を共有
ある要素とある要素が完全に独立しておらず、一部を共有しているような関係です。

○並列
なんらかの関係性の全体の構造の中で、同じ位置付けであり、かつ両者間には重複はなく独立している関係です。

●原因と結果
それでは、これらの関係性の種類の中の1つ目の原因の結果について議論したいと思います。

原因と結果についても、原因と結果の数の組み合わせなどにより、以下の類型があるように思えます。

○リニア(1つの原因→1つの結果)
「風が吹けば桶屋がもうかる」構造

○ピラミッド(1つの原因→複数の結果)
1つの原因が様々な結果を生む構造

○逆ピラミッド(複数の原因→1つの結果)
ある結果は複数の原因からもたらされる。

○環状構造
原因と結果の連鎖が環状に循環している構造で、結果がその結果を生み出している原因の原因になっている構造。

次回も引き続き、この議論を続けていきたいと思います。

(浪江一公)